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旧山梨県道17号線
(青坂隧道)

晩夏、蜩の鳴く頃、思い出したかのように
そこへ向かった。

七理ヶ岩を上り旧道の始点を目指す。
炎天下の中の階段はきつい・・・

登ること十数分、左手に見えるのが始点。
民俗資料館を示す看板も、もう使われない・・・

廃道の入り口付近はいまだ現役といっても
ばれなさそうだ。ただ、少し枯葉が目立つ。

カーブミラーも少し淋しげ。

草木が生い茂ているが、
まだ公道として通用するだろう

センターラインに生える雑草。
道の先はじめっとしていそうだ。

人工物は、人の手が途絶えた
とたんに自然に負ける。

木々が繁茂し、日光が入ってこない。
昨日の雨も影響し、湿度はとても高い。

ループの上部。
つる植物が上り方面の車線を埋め尽くしている。

木々が絡まる矢印の看板。
繁茂する蔦植物。
手入れされなくなった道に広がる落ち葉。

ソーラーパネルが内臓されている反射板。
使われなくなっても、
今なお注意を促し続ける・・・

青坂カーブの下部から上を見上げる。
ここは、空が抜けている。

かつては注視されていた彼も
もう、誰も見ることはない。

隧道からカーブを覗く。
隧道内部の多数の傷が過去の歴戦を物語る。
大型トラックのドライバーの
泣き所だっただろう。

この卵形のアーチが特徴だ。
1932年竣工の彼は哀愁漂うものになっていた。

新道から旧道を視る。
新道との境には、ガードレールが敷かれている。
車で通った際は、ちらとしか見えない。
自然と一体化しているようだ。

思っていたより長居してしまった。
もうすっかり夕暮れだ。
次の列車で帰ろう。
2012年に青坂バイパスが開通し、それに伴い廃道になった青坂ループこと青坂隧道。自然が多いこともあってか、5年でかなり自然に還っている印象でした。何よりも雰囲気が抜群に良かったと思います。今度そこで蓮刈のコスプレでもしようかななどと思っている今日この頃です(笑)
前述したとおり、青坂隧道は1932年竣工で、廃止になる2012年までの70年間に及び韮崎市から茅野市への陸路として活躍していました。しかし、老朽化や安全性を考慮しバイパス道路が新設されました。隧道自体がかなり貴重なものなので、旧道を有効活用できないかと思ったりしています。
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